[PR]
昨日の旅 (再度チャレンジ
どうせ日常生活は語学の練習だし…と今日はまたもやキノへとあくなき挑戦を繰り広げていました。
二つの山脈に挟まれた谷間に、鬱然とした針葉樹林は広がっていた。
二つの山脈に挟まれた谷間に、鬱然とした針葉樹林は広がっていた。
何百年も栄えたのだろうか樹の一本一本が途方も無い巨木で、驚くような高さがある。
そこから少し離れた丘陵の頂上でキノが右手に望遠鏡を構え、じっくりと眼下の森を見物している。
左手には洒落た彫刻を施したカップを持ち、その中には赤茶色の紅茶が半分ほど入っていた。
「んー。危ない国ではなさそうだね、でも城門が無いからどこから入ろうか」覗きながらキノは言う。
「えー…キノ、一応は国だし門番所か取り調べる所があると思う。」
ほんとかな?とキノが怪訝そうな顔をする。そしてもう一度くまなく探し始めた。
忙しなく望遠鏡が動く。それを見ても国が覗けるわけではないので、エルメスは寝る事にした。
しばらく後、条件反射でエルメスが目を覚ました。
「あ、発見。南側に人里から離れた小屋がある」
少しぬるくなった紅茶を飲み干すと、手際よく身支度をする。
「ねーねー、どんな国だったの?稀に見る森の国って」
「エルメス、それじゃ面白くないよ。見てのお楽しみで」
ひゅっとキノが跨り、エンジンをかけた。瞬時、土埃と轟音を立てて疾走する。埃が晴れた頃にはもうそこには居なくなっていた。
「た、旅人さんですか?はい、この国での来客は非常に珍しいです。大概気づかずに去るせいです」
門番の家にある居間で、白木のテーブルを腰かけたいい年の老人と精悍な若者とキノが囲んでいた。
「僕もこんな道が秘境に国があるとは思いませんでした」そう言い、キノが微笑み返す。
「そして何日間の滞在をご希望されます?」
三日で。キノは即答した。門番が手に持ったメモ帳にそれを記載してから
「そういえば旅人さんこの国を見出し、やって来たなんてそうそう無いですから。運がいいんですね。
「さよう、この国に訪れる事は…幸運でありますな。見た目からキノさんは数々の国を訪れたと察したのだが、その記憶の良き軌跡としてこの国はきっと残るんじゃ」
キノの双眸が一瞬細くなる。ややあって、そうかも知れません。と呟いた。
「それと旅人さん。この国で値段の安く、食事の美味で有名なホテルはここから×××ほど北東に進んだ所にあります、えっと安心してくださいシャワー付きです。」
こんどはキノの双眸が大きく見開かれた。分かりました、っと言って席を立った。
ドアを開けると外でエルメスが珍しく起きていた。神妙な面持ちのキノにどうしたの?と声かける。
「いや…ホテルで話そう。ここじゃ迷惑かもしれない」
まっすぐ出発していった。もちろん北東へ―
門番が言ったとおり、絵に描いた様な安価、美味、シャワーの三拍子揃ったホテルが待っていた。
―終了―
明後日あたり続きを更新する予定です。あくまで予定。一寸先は闇
PR
- トラックバックURLはこちら